がんこちゃんのイラスト

 

  

 

「螺旋」

 

 宇宙は螺旋を描いて動いています。其の中に居る私達の身体も螺旋を描いて動いて居ます。臓器も器官も細胞も全て、螺旋を描きながら常に動いて居ます。螺旋を描くと言う事は宇宙の秩序であり自然な動きであり、螺旋を描かない動きは不自然で秩序を乱した動きであると言えます。又、螺旋を描きながら常に動いている状態が自然であり、止まる、留まると言う事は不自然な動きです。
 では螺旋を描くと言う事は・・・・・・。外に向かう力と内に引き寄せられる力が同等で、安定した距離で点を中心として「縦・横・高さ」の方向に移動する事です。
 空手の捌き崩し極めにおいても、同様です。螺旋を描き自然な動きをします。捌き崩し極めでは、自分は中心軸を崩さず、中心力を高めた構えをし、相手の螺旋に動きを加速して揺るがせる(中心軸と中心力を無力化させる)事に因って、捌き崩し極めを行います。この時、動きは決して止めない事が大切です。そして螺旋は回転速度が速い程、力を持つので、中心力を高めて螺旋を描きます。
 此等の事を踏まえて「小手投げ」で螺旋の動きを研究して見ました。「小手投げ」では相手の腕の手首から先を掴み自分の身体に引き寄せ固定し、それを軸として円を描き捌き崩し極めます。しかし初めは相手の動きに気を取られ振り回され、軸をしっかり取る事が出来ませんでした。偏芯した状態では、しっかりとした円を描く事が出来ず、相手が崩れる事も有りませんでした。また、螺旋運動は動きを止めてはいけないのに、あれこれと考えて居ると動きが止まって仕舞い、更に捌くのが難しく成って仕舞いました。その事を克服しようと、幾つか指導を受けたポイントを基にして考えて見ました。
 【螺旋の描き方】
 螺旋を描く時、初めは円を小さく描き、だんだんと円を大きくして遠心力を増して行くと言う事。円の中心は高速で外側に向かって低速に成らなければ行けません。
 最初は円の描き方が解りませんでした。ただ円を描けば良いのかと思い、軸とすべき取った相手の手首をぐるっと回していました。そうすると円が大きくなり、相手が崩れません。次に円を小さく描いて大きくすると意識をすると、円が平面的で移動しない分、相手が崩れません。「縦・横・高さ」の移動をしながら円を描く・・・。距離が無いと速度の変化も無く、相手を無力化出来無い。初速は遅く徐々に早く成る。相手を自分の動きに巻き込む・・・。頭で解って居ても、とても難しい事の様に思えました。館長の御指導の中に「視線を遠くに向ける」と言う事が有りましたので、視線を工夫して見ました。
 【視線】
 「視線を落とすと目先しか見えないので、遠く未来を見るようにする事」と捌き崩しの中で館長は仰っていました。
 視線を遠くに持って行って見ました。そうすると相手の動きに気を取られる事無く、動きがスムーズに成ります。相手の動きに惑わされないので、中心軸も狂わなく成ります。視線を先に持って行くと言う事は、目に入った情報を身体が瞬時に解析して、その状況に合った態勢を取ろうとするのでしょうか?視線を先に向けること、持って行くことは大切な事だと思いました。
視線を遠くに持って行くことで中心軸がぶれず、螺旋を描きやすく成りましたが、距離を描くと言うことが達成出来ませんでした。距離が無いので、螺旋が描ききれず、相手が弾けるように崩れません。
 頭の中で螺旋を描きました。初めは小さく、徐々に大きくなっていく円。頭の中で「縦・横・高さ」の距離も付けイメージしました。
 今度はそのイメージに沿って「小手投げ」をして見ました。
 【イメージ】
 バラコン運動でイメージの世界を試した事が有ります。先ず、何もせずに回旋した時、目線を先に遣って回旋した時、イメージの世界で回旋した時。
 何もせずに回旋すると、顔の動き、手の動きがバラバラに成りやすく、中心軸がぶれやすい気がします。そこで目線を先に後ろに遣るようにすると、中心軸がしっかりして身体全体の動きが揃います。更にイメージの世界で回旋して見ます。自分が「でんでん太鼓」に成ったイメージでバラコン運動をすると視線は一定の高さに成り更に動きは揃います。中心軸が崩れる事は有りません。
 イメージをすると言う事は、目で見るより以上の、多くの情報を得ることが出来る方法の様な気がします。身体はイメージの世界に含まれる情報を分析し、行動するかのようです。イメージが未来の世界だとすると、身体は未来の自分に引っ張られて行動するのでしょうか?
 そこで細かくイメージをして見ました。相手が自分の動きに呑まれて、螺旋を描きながら崩れて行くと言うイメージです。
 頭の中のイメージに沿って相手の手首を固定して自分に引き寄せて、視線を遠くに遣り、螺旋を描きました。そうすると相手の動きを止めることもなく上手く捌けて相手が以前より勢いを付けて崩れました。更にイメージの世界を拡げようと思い、相手の手首を取った後は、目を閉じてイメージの世界に浸って見ました。そうすると更に上手く捌き崩しが出来ました。
 イメージの世界では、相手の動きを止めず、初速は遅く、徐々に早く、足手の動きを巻き込み・・・等が一つ一つ細かく意識すること無く、スムーズに全てを行うことが出来ました。
 螺旋の動きに乗って崩れると、相手には苦痛も無いようです。宇宙の秩序に乗っ取った動きは無駄が無く、全てに優しいのだと思いました。全てが螺旋で動く世界では、螺旋の動きに乗せる事が秩序なのだと感じました。

 全ては螺旋を描いて動くのだと言う事を空手以外の世界にも視線を移し、研究して証明して行きたいと思います。                                                                              

 

(2,005年8月12日)

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 最終更新日 2007/03/04 日曜日
 

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